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Channel: InDesignの勉強部屋
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No.12 Adobe Stockの機能強化

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2016年6月21日のアップデートに合わせ、Adobe Stockも大きく使い勝手が向上しました。
Adobe Stockのサイトも新しくなり、新しく「プレミアムコレクション」が追加されています。「プレミアムコレクション」とは、世界のトップアーティストが提供する高品質な画像ライブラリで、現時点で10万点以上の素材が提供されているそうです(Adobe Stock自体には、現時点で5,500万点以上のロイヤリティフリー画像が用意されています)。
なお、単品での購入となり(プランとしての購入はできません)、金額も現時点で11,780〜58,980円となっています。

Creative Cloudとの連携も強化されています。例えば、Adobe Stockのサイト内で画像を検索し、試しに使用したとしましょう。これまでであれば、一度、画像を自分のCC Librariesにダウンロードしてから使用していたと思いますが、Adobe Stockから直接指定したアプリケーションで開くことが可能になりました。ここでは、Photoshopを指定して[アプリでプレビューを開く]を実行してみます(下図)。
※ライブラリ名が一部文字化けしていますが、現在修正中とのことでした。

すると、自動的にPhotoshopがたちあがり、指定した画像が表示されます(下図)。

また、検索の機能も強化されています。画面左上にある検索フィールド右横のアイコンをクリックすると、詳細な絞り込み検索が可能となります(下図)。

[価格]の安い/高い、[人物]を含まない/含む、[方向]、[カラー]、[セーフサーチ]といった指定で絞り込みができます。

さらに、コントリビューター向けのポータルサイト(https://stock.adobe.com/jp/contributor)がスタートしました(下図)。ここでは、自分の作品(画像)をAdobe StockとFotolia.comで販売することができます。

なお、Adobe StockやBridge CC、Lightroom CCから直接提供素材をアップロード可能になるそうで、近日提供開始予定となっています。

(追記 2016.07.04)
ライブラリ名の文字化けの件は、2016年6月25日に解消されたようです。



No.19 CC Librariesの機能強化

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2015.4リリース(11.4.0.90ビルド)では、CC Librariesの機能も強化されています。

バージョン2015.2では[CC Libraries]パネルの検索フィールドを使用して、Adobe Stock内の画像を直接サーチすることができるようになりました(InDesign CC 2015「No.15 CC Librariesパネルの機能強化」を参照してください)。
バージョン2015.4では、さらにInDesignドキュメントに配置したAdobe Stockのプレビュー画像を選択すると、画像の右上にアイコンが表示されるようになりました(下図)。

このアイコンをクリックすると、ライセンスを取得するかどうかを聞かれます(下図)。

[OK]ボタンをクリックすると、画像の右上に表示されていたアイコンが消え(ウォーターマークも消えます)、画像が購入されます(下図)。これまで、[CC Libraries]パネル上で目的の画像の上で右クリックすることでもライセンスの取得は可能でしたが、バージョン2015.4ではより簡単に画像の購入ができるようになったわけです。

なお、[CC Libraries]パネルでAdobe Stock画像をサーチすると、パネルが小さいため表示される画像が見づらいかもしれません。そのような場合は、パネルを広げることで画像が見やすくなります(下図)。


第1回ミニ勉強会

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『DTPの勉強部屋』では、新しい試みとしてミニ勉強会を開催します。
いつもの勉強会とは違い、少人数で開催する勉強会ですので、疑問点を質問したり、ディスカッションしながら勉強できます。

初回となる今回は、『はじめてみようInDesign』ということで、これからInDesignを始める人(あるいは始めてまもない人)を対象とした勉強会を開催します。
「これまで、Illustratorのみで作業していたけど、InDesignも使えるようになりたい」なんて方は、ぜひご参加ください。 InDesignの基本的な考え方や使い方を、手を動かしながら学習していきます。
※講師役は『InDesignの勉強部屋』のYUJIがつとめさせていただきます。
※ある程度、Illustrator等の操作ができる方を対象とさせていただきます。

なお、受講にあたってはノートPCをご持参ください。なくても受講は可能ですが、ノートPCがないと実際にアプリケーションを使った操作はできません。
※ノートPCには、InDesign(CS5以上)がインストールされた状態でご参加ください。

■開催概要

日時:2016年8月27日(土)13時00分〜18時00分
   (12時30分より受付開始)
   ※途中で適宜、休憩をはさみます。
会場:ベースキャンプ名古屋
   〒450-0002 名古屋市中村区名駅3丁目18-5 モンマートビル5階
   TEL : 052-485-8544
   ※名古屋駅から徒歩約5分。
   http://basecamp-nagoya.jp/access.html
定員:11名(先着順)
参加費:2,000円(勉強会当日、主催者にお支払いください。希望者には領収書を発行できます)

■お申し込み方法

希望者は、こちらからお申し込みください。
https://atnd.org/events/80090
※定員をオーバーした場合には、キャンセル待ちになります。


第1回ミニ勉強会終了報告

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2016年8月27日(土)に、ベースキャンプ名古屋にて第1回の「ミニ勉強会」が開催されました。

今回のテーマは「はじめてみようInDesign」ということで、講師のYUJI氏が、これからInDesignを始める方や始めてまもない方を対象に、一緒にアプリケーションを操作しながらの勉強会となりました。

また、ハンズオン形式ということで、(講師・スタッフも含め)13名という少人数での開催となり、参加者の方がその都度、わからないことを質問したりしながら勉強会が進行していきました。

内容は、基本的な機能や操作が中心で、

・ページ組みをスムーズに進めるためのいろいろな機能
・ドキュメント設定(レイアウトグリッドとマージン・段組)
・各種フレームの特徴
・ページパネルとセクション
・マスターページの概念
・テキストの流し込み
・コンポーザの挙動
・禁則処理・文字組みアキ量設定(概念のみ)
・見出し
・スタイル機能
・画像の配置方法

といった多岐にわたる内容となりました。

今回は時間の都合上、文字組みアキ量設定の詳細や、実践的な設計方法などには触れられませんでしたが、今後も「ミニ勉強会」は継続していく予定で、また機会を設けていきたいとのことでした。
さらに、InDesignだけに限らず、他のアプリケーションに関する内容も取り上げていきたいとのことでした。

勉強会終了後は、希望者による懇親会も行われました。

レポート:松浦 正典


第41回勉強会のお知らせ

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第41回勉強会の開催が決定しましたのでお知らせいたします。セミナー(および懇親会)参加希望の方は、「勉強会お申し込み」ボタンからお申し込みください。

なお、セミナー終了後にその場で交流会を開催させていただきます。日頃、同業他社の方と話をする機会が少ない方も、ぜひ交流を図って情報交換等をしていただければと思います。

■勉強会
日時:2016年11月5日(土)14時00分〜18時45分
    【セミナーは14時〜18時10分、交流会は18時10分〜18時45分を予定しています】
    (13時30分より受付開始)
会場:ウインクあいち 小ホール
    〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38
    JR名古屋駅桜通口からミッドランドスクエア方面 徒歩5分
    ユニモール地下街 5番出口 徒歩2分
定員:150名
受講料:3,000円(勉強会当日、受付でお支払いください。希望者には領収書を発行できます)

■内容(予定)
Session 1:配色徹底解説〜基本から応用、CMYK・特色・RGBまで〜
色彩の理論はひとつではありません。また、どの理論が優れているというものでもありません。基本としてPCCSとイッテンの色彩論を紹介します。また理論では表せない感情面での配色も紹介します。
2色印刷や5色印刷の制作方法、日本と海外のインキの違い、紙(CMYK)とWEB(RGB)両方に展開する仕事の色管理方法も紹介します。

スピーカー:大里 浩二 氏(株式会社THINKSNEO代表取締役)
広告・CI・Web・エディトリアル等、幅広いジャンルを手がけるアートディレクター。デザイン論・色彩論等に造詣が深く、学校講師をはじめ専門書の企画・執筆や各種講演も行っている。
日本デザイン学会会員、意匠学会会員、日本印刷技術協会DTPエキスパート認証委員、大阪芸術大学 非常勤講師、東京工科大学 非常勤講師、東洋美術学校 非常勤講師、株式会社THINKSNEO 代表取締役。
著書に『デザインを学ぶすべての人に贈るカラーと配色の基本BOOK』(ソシム)『レイアウトIllustrator教室』(ワークスコーポレーション)など。
共著に『やさしいレイアウトの教科書』(エムディエヌコーポレーション)、『デザインを学ぶ3文字とタイポグラフィ』(エムディエヌコーポレーション)など。
監修に『すべての人に知っておいてほしいデザイン・レイアウトの基本原則』(エムディエヌコーポレーション)、『すべての人に知っておいてほしい配色の基本原則』(エムディエヌコーポレーション)など。



Session 2:制作と印刷の相互理解で「正しく刷れる」DTPの運用ポイント
名古屋では初めてとなる出力セミナーの機会をいただきました。
このセッションでは(他の会場では数回のセミナーを経てマニアックな領域まで行っちゃってますが)、基本に立ち返りつつ、知識を知恵として活かせる深い理解を目指します。
先日のAdobe MAX Japan 2016においても、実質30分の中で基本的なポイントに絞った「正しく刷れる」ための(今までとはちょっとだけ違う手法の)解説を行いました。
しかし、実際に正しく刷るためには、他にも重要なポイントがあります。
Adobe MAX Japan 2016での解説を大幅に拡充し、デモも交えた内容でご説明します。

スピーカー:松久 剛 氏(株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ GA統轄部 GAソフトウエア開発部)
現在は、ワークフローRIP「EQUIOS」の開発に従事し、搭載されている「Adobe PDF Print Engine」などRIP処理演算部分を担当。開発で得た情報から、同社Webサイトで公開されているPDFワークフローに関する技術解説をまとめた PDF版の「EQUIOS / Trueflow出力の手引き」及びブログ形式の「出力の手引きWeb」の執筆も担当している。



Session 3:Illustratorで作るグラフィックデザイン
Illustratorは「ドロー系グラフィックソフト」という位置付けのソフトウェアです。印刷物のレイアウトはもちろん、最近ではwebデザインのカンプ作りに使われることも多くなりました。しかし、本来はその名が示すとおり、イラストやロゴ、アイコンなど、グラフィックを作るための機能が充実しています。本セッションでは、基本に立ち返って、Illustratorでグラフィックをデザインするときに使えるアイデアや効率化のポイントを、具体的な作例を交えながら解説していきます。

スピーカー:高橋 としゆき 氏(Graphic Arts Unit
1973年生まれ、愛媛県松山市在住。地元を中心に「Graphic Arts Unit」の名義でフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動。紙媒体からウェブまで幅広いジャンルを手がけ、デザイン系の書籍も数多く執筆。近著には『デザインのセオリーから学ぶ Photoshop & Illustratorの教科書』(エムディエヌコーポレーション刊/共著)など。また、プライベートサイト「ガウプラ」では、オリジナルデザインのフリーフォントを配布しており、TVCM、ロゴタイプ、アニメ、ゲーム、広告など、さまざまな媒体で使用されている。
Twitter:@gautt

■タイムテーブル(予定)
14:00〜14:05 ごあいさつ
14:05〜15:15 Session 1:配色徹底解説〜基本から応用、CMYK・特色・RGBまで〜
15:15〜15:30 休憩
15:30〜16:40 Session 2:制作と印刷の相互理解で「正しく刷れる」DTPの運用ポイント
16:40〜16:55 休憩
16:55〜18:05 Session 3:Illustratorで作るグラフィックデザイン
18:05〜18:10 ごあいさつ
18:10〜18:45 交流会

■懇親会(交流会の後、席を変えての飲み会となりますので、希望者のみ申し込んでください)
時間:19時00分頃〜
場所はセミナー会場近くの居酒屋を予定しています。料金は実費です。
詳細が決まりましたら、後程お知らせいたします。
※当日のドタキャンはご遠慮ください。前々日までにキャンセルのご連絡がない場合、料金をいただきます。

■お願い
※勉強会が近づきましたら、参加者には受講票をメールさせていただきます。
 セミナー当日はプリントして受付にご提示ください。
※当日はネームタッグをご用意いたしますので、名刺を1枚お持ちください。
※USTREAMでの中継や動画撮影は禁止とさせていただいております。
※キータイプの音が気になる方もいらっしゃいます。
 セミナー会場でパソコンを使用する際には、回りの迷惑にならない範囲でご使用ください。

※セミナーは先着順にて受付し、定員に達ししだい受付を締め切ります。
※重複してお申し込みはできません。
※部屋の温度調整は行いますが、座る場所によっては寒いといったケースがあるかもしれません。ひざ掛けやカーディガン等をお持ちいただくと良いかもしれません。
※申し込みのキャンセルや申し込み内容の変更、ご質問等がありましたら、「お問い合わせ」ボタンからご連絡下さい(その際には登録番号をお知らせください)。


懇親会会場

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第41回勉強会後の懇親会会場が決定しましたのでお知らせいたします。

場所:つくね屋本舗 名駅店
   名古屋市中村区名駅4-4-38 B1F(ウインクあいち 地下1階)
   名古屋駅徒歩5分
   TEL 052-551-0390
時間:午後7時00分〜
料金:4,000円

よろしくお願い致します。


No.01 線の矢印の拡大・縮小

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これまでInDesignでは、先端の形状に矢印等を指定した場合、そのサイズをコントロールすることができませんでした(これまでは、線の太さに応じて矢印のサイズも可変していました)。
しかし、CC2017(12.0.0.81ビルド)では線の矢印のサイズを調整可能となりました。これまでIllustratorでは可能だったことが、やっとInDesignでも可能になったわけです。

下図の一番上の線は、これまでのInDesignの動作です。先端の[開始]と[終了]を設定しても、そのサイズは[線幅]に依存していました。

図の2番目の線は、[拡大・縮小]を変更したものです(ここでは「200%」に変更しました)。線幅はそのままで、先端の形状のみサイズを変えることができます(下図)。

図の3番目の線は、[揃え]を変更したものです(下図赤枠部分)。先端の形状の分だけ、線が伸びた状態で作成できます(下図)。


No.02 UIの機能強化

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CC2017(12.0.0.81ビルド)では、UI(ユーザーインターフェイス)にもいくつかの細かな機能強化がはかられています。
まず、[コントロール]パネルでは、[コントロール]パネルに表示する内容をカスタマイズするボタンが追加されました(下図赤枠部分)。

これまでのバージョンでも、表示内容をカスタマイズするコマンドは[コントロール]パネルのパネルメニューに用意されていましたが(下図)、どこにあるのか分かりづらいということもありボタン化されたようです。

カスタマイズするボタンをクリックすると、下図のようなダイアログが表示され、[コントロール]パネルに表示する項目をカスタマイズできます。

ちなみに、[コントロール]パネルからAdobe Stock内の画像を検索することも可能になっています(下図)。

また、複数のドキュメントを開いている際のタブのサイズを、これまでよりも小さなタブに変更することも可能になりました。[環境設定]ダイアログの[インターフェイス]で[大きなタブ]をオフにすることで、タブサイズを小さくできます(下図)。デフォルトではオンになっています。

下図の左が[大きなタブ]がオンの状態、右がオフの状態です。



No.03 複数の段をまたぐ脚注

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CC2017(12.0.0.81ビルド)では、脚注の機能も強化されました。
これまでのバージョンでは、段組をした際に脚注が段をまたぐことはできませんでした。(下図はCC2015で組んだものです)。

しかし、CC2017では下図のように、段をまたぐ脚注が可能となります。

[書式]メニューから[脚注オプション]を選択すると、[脚注オプション]ダイアログが表示されます。このダイアログの[レイアウト]に、新しく[脚注の段抜き]という項目が追加されています(下図)。

[脚注の段抜き]がオンになっていると、段をまたぐ脚注の作成が可能になります。
なお、[脚注の段抜き]はデフォルトではオンになっていますが、以前のバージョンで作成されたドキュメントではオフになっています。


No.04 OpenType機能の表示

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CC2017(12.0.0.81ビルド)では、OpenType機能も適用しやすくなっています。

上図はCC2015の[環境設定]、下図はCC2017の[環境設定]です。

CC2015で文字を選択した時に、右下にその文字の異体字や分数が表示されるようになりましたが(詳細は、CC2015「No.13 選択された文字の異体字を表示」を参照してください)、CC2017では[異字体、分数、上付き序数表記、合字で表記]となり、さらに上付き序数表記や合字も素早く切り替えることが可能になりました(下図)。

また、[テキスト選択/テキストフレームの装飾を表示して書式をさらに制御]という項目も追加されています。
このオプションがオンになっていると(デフォルトではオン)、テキストフレーム右下にOpenType機能をあらわすアイコンが表示されます(下図)。

このアイコンをクリックすると、選択しているテキストフレームで実行可能なOpenType機能の一覧が表示されるので、目的のOpenType機能をオンにして、その機能を反映させます(下図)。なお、この機能は、あふれているテキストに対しても有効です。図では「スラッシュ付きゼロ」を適用しています。

また、この機能は文字ツールでテキストを選択している場合も有効です(下図)。

OpenType機能をあらわすアイコンが表示されるので、クリックして適用可能なOpenType機能を表示させます(下図)。

ここでは[すべてスモールキャップス]を実行したので、選択していたテキストに対してスモールキャップスが適用されます(下図)。

なお、[テキスト選択/テキストフレームの装飾を表示して書式をさらに制御]は、動作をきちんと理解して使用しないと思わぬ結果になる場合もあるので、設定をオフにしておく方が安全かもしれません。


InDesign CC 2017

第41回勉強会終了報告

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2016年11月5日(土)、「第41回勉強会」が名古屋のウインクあいちで開催されました。今年から内容構成に変化があり、3人のスピーカーがSessionを行う形式になってからの2回目。今回も会場がほぼ満員になるほどの人数が出席していました。
Session 1は、株式会社THINKSNEOの代表取締役として、さまざまな分野のアートディレクションを行いつつ、学校講師やデザイン関連の書籍執筆で活躍されている、大里浩二さんによる配色に関するお話。
Session 2は、株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズで出力関連の開発などを担当している、松久剛さんによる安全な印刷出力に関するお話。
Session 3は、フリーランスのグラフィックデザイナーとして活躍しつつ、書籍の執筆やフリーフォントの配布、動画配信などの活動も精力的に行っている、髙橋としゆきさんによるIllustratorのTipsのお話でした。

Session 1:配色徹底解説〜基本から応用、CMYK・特色・RGBまで〜
スピーカー:大里 浩二 氏株式会社THINKSNEO代表取締役)

トップバッターの大里さん、表題通り徹底的に配色を語り尽くされたセッションでした。
国によって違う虹の色数の話からはじまり、配色には外せない色相環の種類、トライアド配色などの色相環から色を選ぶパターンや、暖色・寒色に代表される色の感情など、配色の基礎知識について説明がされました。「音楽と同じように楽しんで」と語る大里さんは「音の組み合わせで感情が変わる音楽のように、色も組み合わせで感情が変わります」と持参された鍵盤を叩き、喜びをメジャーコード、悲しみをマイナーコードで例えて披露されました。
それを踏まえ、身の回りにある物の配色とその配色理由を説明。ペットボトルのお茶のパッケージが各社緑色なのは、お茶は緑じゃないと許されない文化的な背景があり、単純に「お茶→ゆったり」としたイメージで緑以外の配色にしても受け入れられ難いこと。また、文化的な背景によるローカライズとして、冷凍食品やポリデントなど海外と日本で配色が全く異なる商品あげられ、青色を美味しそうに思う文化や、売り場面積が広く一面同じ色でインパクトを与えられる文化が配色の理由であることが解説されました。
では、実際に配色を施す場合どうすれば良いのでしょうか。大里さんは「色の感情を使う」「色の力を使う」「同じ色を使う」といった方法を紹介。「同じ色」では、雑誌の紙面で天候の悪い屋外の写真が掲載されたページに、緑色を効果的に使うことで明るく見せている事例をあげられました。また、スーパーで売られているみかんは赤いネットで包まれていますが、これも赤色が美味しそうに熟しているように見せる効果があるからとのこと。まさに色仕掛け、ということです。
配色の基本と施し方がわかった所で、データ上でのCMYK運用へと話は進みます。RGBの画像をPhotoshopにてCMYKに変換する際、モードから「RGB→CMYK」に変換しても適切な色にならない場合があるとのこと。CMYKの設定にも国や印刷機、印刷媒体によって、編集の「プロファイル変換」から最適なものを選ぶ必要があるそうです。特色の印刷では、写真をモノクロにしたい時はグレースケール変換すると同じ調子の色は同化してしまうので、白黒フィルターが最適。さらに、ダブルトーンや、2色分解ついても解説がなされ、5色分解ではプロセス4色+特色蛍光ピンクを使用した例の失敗しない設定方法が紹介されました。RGBの扱いについては、sRGBとAdobeRGBの色相の広さと、それぞれがweb用、印刷用という役割の違いの解説がされました。
そして最後に大里さんは、改めて「音楽を楽しむように、色を楽しんでください」と締めくくられました。配色のお話は奥が深かったのですが、この「音楽と同じ」という言葉で一気に親近感が沸き、理解が深まった参加者も多かったのではないでしょうか。

Session 2:制作と印刷の相互理解で「正しく刷れる」DTPの運用ポイント
スピーカー:松久 剛 氏株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ GA統轄部 GAソフトウエア開発部)

松久さんは、普段は株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズで、出力に関する開発に携わっており、今回は「ちゃんと刷れる」ためにするべきことについてお話していただきました。
まずは印刷の基本から。インキと光の関係、版を使って印刷されるということ、網点がかけ合わさって色が再現さているということが、これから始まる「正しく刷れる」話の前提として説明されました。
そしてDTPの3大トラブル「白のオーバープリント」「マイターリミット」「自動墨ノセ」について、動きのあるスライドや、デモを交えながらの解説が行われました。「白のオーバープリント」については、根本のオーバープリントの仕組みの解説と、白のオーバープリントが無意識にかかるパターンのデモで再現していただきました。次に「マイターリミット」、Illustratorの線の設定をマイター処理にした時に急角度の線がトゲになる問題についての対応を説明。3つめのトラブルはRIP上で本来間違ってヌキになっているデータを救う処理であるはずの「自動墨ノセ」が逆にトラップになるパターンについて。K100に透明の描画モードを設定してある場合に墨ノセ処理によって意図した結果が得られないというものでした。これに対処するための解決策を2パターン紹介されました。
さらに話はPDF/Xの基礎知識へ。PDF/X-4で透明が使える恩恵、Distillerでは作れないことと、むしろDTPアプリケーションからダイレクトに出力したPDFがそのままRIPに使えること、デバイスに依存しないことが説明されました。
ここで、セッションの合間にトラブルシューティングについての休憩ネタが挟まれ、トラブルの解決を早めるために、再現できる情報報告のポイントが紹介されます。
そして、ページ原点が合ない問題。PDFに目に見えない(Acrobat上では表示できる)トンボ情報を付加すればピッタリと原点を合わせることができるとのこと。Illustratorのアートボードツールで正しく作成することでこのトンボが付加されます。仕上がりサイズでの画像ボックスへの配置や、裁ち落としサイズでのInDesignへの台紙貼りも可。RIPでもこの原点は正確に演算するため、わざわざInDesignに台紙貼りしなくてもIllustratorから出力したPDFでもRIPを通すことができるということでした。
最後に、間違うとトリッキーな特色処理のお話。特色指定をプロセスカラーとして印刷したい場合はRIPで擬似色化を行わずInDesignのインキ管理から「すべての特色をプロセスカラーへ」を指定すること。プロセスカラーなのに特色指定した場合にオーバープリントが透明として処理される事例や、特色に透明が設定されたデータが分割統合された結果、透明がオーバープリントになってしまう事例などを紹介されました。
松久さんのお話は、ところどころに出力の手引webの小さな墨文字にあるようなツッコミや小ネタが挟まれ、詳しく楽しいセッションでした。

Session 3:Illustratorで作るグラフィックデザイン
スピーカー:髙橋 としゆき 氏Graphic Arts Unit

昨年話題となった、Adobe主催のイベント「24時間Illustrator〜愛(Ai)はクリエイティブを救う」において、Illustratorのテクニックを競う「Ai-1グランプリ」で、見事優勝を果たした髙橋さん。まずは自己紹介。フリーのグラフィックデザイナーで、書籍執筆、動画配信やフリーフォント、スクリプトの配布などの幅広い活動をされているとのことでした。そして今回のSessionでは、多機能で幅広い用途に使用できるIllustratorのなかでも、本来の役割である「グラフィック要素」の制作に焦点を当てた内容になるとの説明がありました。内容は「アーチ状のタイトル文字を作る」「パターンを利用する」「部分的に欠けたパーツをつくる」「図形にちょっとした加工をプラスする」「テキスト状態を維持して装飾する」「イラストにアナログ効果を加える」といったメニューが始めに予告され、それぞれの項目について、デモンストレーションを交えながら丁寧に説明されました。同じオブジェクトを作る場合でも、いくつものやり方があり、それぞれのメリット・デメリットを紹介。用途に応じた使い分けのコツなども解説されました。
紹介されたテクニックは、実践的でデザイナー・DTPオペレータに拘わらず、すぐに役立つものばかりでした。基本的に、後から編集がしやすい非破壊での加工方法が多く、修正指示が多い現場に即したテクニックが多いのも印象的でした。そして何より、このセミナーのために新たに制作したという、広告サンプルがとてもセンスよく作られていたので、今回のテクニックを使って真似してみたい気持ちになった方も多かったのではないでしょうか。それぞれのテクニックを駆使しながらも、最終的な入稿データはトラブルの起きにくいデータにするための方法(「透明部分の分割・統合」のコツなど)も紹介されました。
最後のまとめとして、「クリエイティブ(アイデア出しなど)の作業に時間を割くために、データ制作は効率的な方法を」「それぞれの機能を組み合わせながらも、さらにひと工夫しよう」そして「入稿トラブルに注意しよう」とまとめられ、Sessionは終了しました。

レポート:加納 佑輔・吉岡典彦


第2回ミニ勉強会

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『DTPの勉強部屋』では、ミニ勉強会も開催していきます。
いつもの勉強会とは違い、少人数で開催する勉強会ですので、疑問点を質問したり、ディスカッションしながら勉強できます。

2回目となる今回も、『はじめてみようInDesign』ということで、これからInDesignを始める人(あるいは始めてまもない人)を対象とした勉強会を開催します。
「これまで、Illustratorのみで作業していたけど、InDesignも使えるようになりたい」なんて方は、ぜひご参加ください。 InDesignの基本的な考え方や使い方を、手を動かしながら学習していきます。
※講師役は『InDesignの勉強部屋』のYUJIがつとめさせていただきます。
※ある程度、Illustrator等の操作ができる方を対象とさせていただきます。

なお、受講にあたってはノートPCをご持参ください。なくても受講は可能ですが、ノートPCがないと実際にアプリケーションを使った操作はできません。
※ノートPCには、InDesign(CS5以上)がインストールされた状態でご参加ください。

■開催概要

日時:2017年2月4日(土)13時15分〜18時00分
   (13時00分より受付開始)
   ※途中で適宜、休憩をはさみます。
会場:ベースキャンプ名古屋
   〒450-0002 名古屋市中村区名駅3丁目18-5 モンマートビル5階
   TEL : 052-485-8544
   ※名古屋駅から徒歩約5分。
   http://basecamp-nagoya.jp/access.html
定員:11名(先着順)
参加費:2,000円(勉強会当日、主催者にお支払いください。希望者には領収書を発行できます)

■お申し込み方法

希望者は、こちらからお申し込みください。
https://atnd.org/events/85226
※定員をオーバーした場合には、キャンセル待ちになります。


第3回ミニ勉強会

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『DTPの勉強部屋』では、ミニ勉強会も開催しています。
いつもの勉強会とは違い、少人数で開催する勉強会ですので、疑問点を質問したり、ディスカッションしながら勉強できます。

3回目となる今回は、『InDesignのスタイル機能を使いこなそう』ということで、InDesignのスタイル機能にフォーカスしたミニ勉強会を開催します。
「段落スタイルや文字スタイルを始めとするInDesignのスタイル機能を理解したい」「これまで以上にスタイル機能を使いこなしたい」「先頭文字スタイルや正規表現スタイル、オブジェクトスタイルを使えるようにしたい」といった方は、ぜひご参加ください。実際に手を動かしながら学習していきましょう。
※講師役は『InDesignの勉強部屋』のYUJIがつとめさせていただきます。
※ある程度、InDesignの操作ができる方を対象とさせていただきます。

なお、受講にあたってはノートPCをご持参ください。なくても受講は可能ですが、ノートPCがないと実際にアプリケーションを使った操作はできません。
※ノートPCには、InDesignがインストールされた状態でご参加ください。

■開催概要

日時:2017年3月18日(土)13時15分〜18時00分
   (13時00分より受付開始)
   ※途中で適宜、休憩をはさみます。
会場:ベースキャンプ名古屋
   〒450-0002 名古屋市中村区名駅3丁目18-5 モンマートビル5階
   TEL : 052-485-8544
   ※名古屋駅から徒歩約5分。
   http://basecamp-nagoya.jp/access.html
定員:10名(先着順)
参加費:2,000円(勉強会当日、主催者にお支払いください。希望者には領収書を発行できます)

■お申し込み方法

希望者は、こちらからお申し込みください。
https://atnd.org/events/86274
※お申し込みの際には、ATNDにメールアドレスが登録されている必要があります。
※定員をオーバーした場合には、キャンセル待ちになります。


第42回勉強会のお知らせ

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第42回勉強会の開催が決定しましたのでお知らせいたします。セミナー(および懇親会)参加希望の方は、「勉強会お申し込み」ボタンからお申し込みください。

なお、セミナー終了後にその場で交流会を開催させていただきます。日頃、同業他社の方と話をする機会が少ない方も、ぜひ交流を図って情報交換等をしていただければと思います。

■勉強会
日時:2017年5月27日(土)14時00分〜18時45分
    【セミナーは14時〜18時10分、交流会は18時10分〜18時45分を予定しています】
    (13時30分より受付開始)
会場:ウインクあいち 小ホール2
    〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38
    JR名古屋駅桜通口からミッドランドスクエア方面 徒歩5分
    ユニモール地下街 5番出口 徒歩2分
定員:150名
受講料:3,000円(勉強会当日、受付でお支払いください。希望者には領収書を発行できます)

■内容(予定)
Session 1:イマドキ風!Creative Cloudアプリの使いどころ
Creative Cloudに移行したけれど、機能があり過ぎて使いこなせていないという方もいるのではないでしょうか。モバイルアプリや様々なサービス、目新しい機能や派手は機能はたくさんあれど、本当に使えるの? と気になる方も多いのでは。このセッションでは「これは仕事で即使える!」現実的なテクニックを多数ご紹介します。

スピーカー:大倉 照結 氏(アドビ システムズ株式会社
舞台女優、デザイナー、セミナー講師とマルチに活躍。
アドビ全製品を網羅するスペシャリストで、最新バージョンから裏技まで、常にユーザー目線で紹介。
そのテクニックは、さまざまなデザイナーのヒントになっており、非常にわかりやすいと定評あり。全国にファンも多い。
共著:『神速InDesign』(結城しおり名義)



Session 2:イラスト制作のためのIllustrator ベクターでもっと自由に描いてみよう
Illustratorなら、描きたいモチーフの「しくみ」に適切な機能をあてはめることで、複雑なイラストにも挑戦できます。絵を描くのは苦手だという方でも大丈夫です。今回は実例を交えながら、ブラシ機能や描画まわりのツール、Adobe Captureの活用方法などを中心にご紹介します。特にCC以降の機能は、イラスト制作の効率を格段に上げるものばかり。新・旧機能の合わせ技で効率よく、更に豊かな表現を目指しましょう! page2017でのセッションでは伝えきれなかった内容を盛り込み、さらにブラッシュアップして解説します。

スピーカー:hamko 氏(ham factory
2010年より、DTPオペレーター・イラストレーターとしてフリーランスで活動中。
DTP・イラスト制作両方の観点から、見た目も構造も美しく、「後工程に迷惑をかけないデータ」を目指して日々模索しています。



Session 3:同素材から多くのデザインバリエーションを生み出す考えかた
レイアウトデザインを作る場合、同じ写真やコピーなどから複数のデザイン案を制作し提案することが多くあります。レイアウトや文字、色の組み合わせや装飾を加えることで、多くのデザインバリエーションを制作し、検討・提案を効率的に行う方法について解説します。2017年3月に発売された「+DESIGNING VOLUME 43」の特集記事「6つのポイントを押さえるだけで、デザインは見違える!」とリンクしたセッションになります。

スピーカー:樋口 泰行 氏(有限会社樋口デザイン事務所代表)
海外向け広告代理店でのディレクターを経て、グラフィックデザイナーとして独立。イラスト、広告、DTP、Webデザイン、映像制作など多岐にわたって手がける。また、クリエイティブ関連のテクニカルライティング、取材執筆も行う。地元さいたまデザインDTP勉強会も主催。
近著「デザインのバリエーションや代案をくださいと言われてももう悩まない本。」(エクスナレッジ)



■タイムテーブル(予定)
14:00〜14:05 ごあいさつ
14:05〜15:15 Session 1:イマドキ風!Creative Cloudアプリの使いどころ
15:15〜15:30 休憩
15:30〜16:40 Session 2:イラスト制作のためのIllustrator ベクターでもっと自由に描いてみよう
16:40〜16:55 休憩
16:55〜18:05 Session 3:同素材から多くのデザインバリエーションを生み出す考えかた
18:05〜18:10 ごあいさつ
18:10〜18:45 交流会

■懇親会(交流会の後、席を変えての飲み会となりますので、希望者のみ申し込んでください)
時間:19時00分頃〜
場所はセミナー会場近くの居酒屋を予定しています。料金は実費です。
詳細が決まりましたら、後程お知らせいたします。
※当日のドタキャンはご遠慮ください。前々日までにキャンセルのご連絡がない場合、料金をいただきます。

■お願い
※勉強会が近づきましたら、参加者には受講票をメールさせていただきます。
 セミナー当日はプリントして受付にご提示ください。
※当日はネームタッグをご用意いたしますので、名刺を1枚お持ちください。
※USTREAMでの中継や動画撮影は禁止とさせていただいております。
※キータイプの音が気になる方もいらっしゃいます。
 セミナー会場でパソコンを使用する際には、回りの迷惑にならない範囲でご使用ください。

※セミナーは先着順にて受付し、定員に達ししだい受付を締め切ります。
※重複してお申し込みはできません。
※部屋の温度調整は行いますが、座る場所によっては寒いといったケースがあるかもしれません。ひざ掛けやカーディガン等をお持ちいただくと良いかもしれません。
※申し込みのキャンセルや申し込み内容の変更、ご質問等がありましたら、「お問い合わせ」ボタンからご連絡下さい(その際には登録番号をお知らせください)。



No.05 スペクトルUI

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2017年4月6日(日本時間)に、CC 2017.1(12.1.0.56ビルド)のアップデータが配布されました。
このアップデータでは、これといった新しい機能の追加はないようですが、ユーザーインターフェイスがフラットでモダンな通称「スペクトルUI」に変更されました(下図)。

これまでのインターフェイスよりも、視認性がかなり改善されています。


No.06 環境設定のカラーテーマ

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CC 2017の[環境設置]の[インターフェイス]→[カラーテーマ]は、これまで「明」「やや明るめ」「やや暗め」「暗」のいずれかを選択できるだけでなく、「カスタム」を選択することで、インターフェイスのカラー(明暗)をスライダ(%)でも調整することができました(下図赤枠)。

しかし、CC 2017.1(12.1.0.56ビルド)では、「明」「やや明るめ」「やや暗め」「暗」のいずれかを選択できるだけで、スライダによる明暗の調整機能は削除されています(下図赤枠)。


懇親会会場

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第42回勉強会後の懇親会会場が決定しましたのでお知らせいたします。

場所:つくね屋本舗 名駅店
   名古屋市中村区名駅4-4-38 B1F(ウインクあいち 地下1階)
   名古屋駅徒歩5分
   TEL 052-551-0390
時間:午後7時00分〜
料金:4,000円

よろしくお願い致します。


No.01 フレームグリッドへのテキストのペースト

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InDesignのバージョンに関係なく、気になった話題をこちらに書き留めておくことにします。まずは、フレームグリッドの動作について記述したいと思います。

InDesignでテキストを扱う場合、「プレーンテキストフレーム」と「フレームグリッド」の2つのテキストフレームがあることはご存知のことだと思います。これらの2つのテキストフレームをうまく使い分ければ、作業の効率化にも繋がりますが、慣れるまではフレームグリッドの動作に戸惑うことがあるのも事実です。
まずは、テキストを配置した「フレームグリッド」を用意しました(下図)。

では、フォントを変更してみましょう。
ここでは、「小塚明朝 Pr6N」から「A-OTF 太ゴB101 Pro」に変更しました(下図)。

次に、任意の場所にテキストを入力してみましょう。
ここでは「美しい」という文字を入力しました(下図赤枠部分)。とくに問題はないですよね。

では、テキストエディタ等からコピーしたテキストを、任意の場所にペーストしてみましょう。
すると、異なる書式でペーストされたのが分かるはずです(下図赤枠部分)。

これは、フレームグリッド自体が書式属性を持っているためです。[オブジェクト]メニューから[フレームグリッド設定]を選択してみると、[フレームグリッド設定]ダイアログが表示され、[グリッド書式属性]の内容が確認できます(下図)。つまり、この[フォント]に設定されている「小塚明朝 Pr6N」が適用されてペーストされたというわけです。

なお、[グリッド書式属性]の設定を無視してテキストをペーストしたい場合には、[編集]メニューから[グリッドフォーマットを適用せずにペースト]を実行します(下図)。

こうすることで、[グリッド書式属性]の設定を無視してテキストをペーストできます(下図赤枠部分)。

ちなみに、テキストに段落スタイルを適用してある場合でも、同じ動作をします。ここでは「本文」という名前の段落スタイルを適用したテキストを用意しました(下図)。

このテキストの任意の場所に、プレーンなテキストをペーストします。やはり、[グリッド書式属性]の設定が反映されて書式が変わってしまいました(下図赤枠部分)。

この場合には、目的のテキストを選択し、[段落スタイル]パネルで[選択範囲のオーバーライトを消去]を実行してもかまいません(下図)。

選択していたテキストのオーバーライドが消去され、テキストの書式が目的の書式に設定されます(下図赤枠部分)。

とは言え、フレームグリッドの[グリッド書式属性]と実際のテキストの書式は、同じにしておくのが望ましいので、フレームグリッドにテキストを配置、あるいは入力する前に、フレームグリッドの[グリッド書式属性]を設定しておきましょう(下図赤枠部分)。
こうしておくことで、後々、戸惑うことなく作業ができます。

なお、テキストを配置、あるいは入力後に[グリッド書式属性]を変更した場合には、[編集]メニューから[グリッドフォーマットの適用]を実行することで、配置したテキストの書式を[グリッド書式属性]の書式に合わせることができます(下図)。


No.02 アプリケーションデフォルト

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InDesignでは、ドキュメントを何も開いていない状態でも各パネルやツールの設定を変更することができます。この設定を「アプリケーションデフォルト」と呼びます(ちなみに、Illustratorではドキュメントを何も開いていない状態だと、各パネルはグレーアウトしていて設定を変更することはできません)。

例えば、「ドキュメントを何も開いていない状態」と「何かドキュメントを開いた状態」で、それぞれ[グリッドツール]をダブルクリックしてみてください。

上図が「ドキュメントを何も開いていない状態」のダイアログですが、[フレームグリッド設定(アプリケーションデフォルト)]と書かれていますね。下図は「何かドキュメントを開いた状態」のダイアログですが、[フレームグリッド設定(ドキュメントデフォルト)]と書かれているのが分かります。

つまり、「ドキュメントを何も開いていない状態」と「何かドキュメントを開いた状態」では意味合いが異なるというわけです。
アプリケーションデフォルトの場合、以後、新規で作成するドキュメントすべてに変更した設定内容が反映され、ドキュメントデフォルトの場合には、設定の変更はそのドキュメントだけに限定されることになります。
ですから、各パネルの設定は、ドキュメントを何も開いていない状態で、よく使用する設定に変更しておくと良いわけです。

では、「ドキュメントを何も開いていない状態」で変更したり、読み込んでおいた方が良い設定をいくつかご紹介しておきます。あくまでの私個人の設定なので、必ずしもこの設定が良いというわけではないので、ご注意ください。

[カラー]パネル

[カラー]パネルでは、使わないスウォッチは削除し、よく使用するスウォッチを登録しておきます。なお、パネルメニューから[スウォッチの読み込み]を実行すれば、他のドキュメントからスウォッチを読み込んだり、IllustratorやPhotoshopから書き出したスウォッチのデータ(拡張子.ase)を読み込むことも可能です。

[段落]パネル

[段落]パネルでは、まず[禁則処理]と[文字組み]によく使用する設定を選択しておきましょう。なお、[文字組みアキ量設定]のカスタマイズに自信がない方は、「+DESIGNING」のサイトから無償でダウンロード可能な「おぢんの文字組み設定ファイル」を使用するのがお勧めです。

次にパネルメニューの[連数字処理]をオフにし、[Adobe日本語単数行コンポーザー]を選択します。なお、なぜ[連数字処理]をオフにするのかについての詳細は、InDesign 1.0「No.75 連数字処理」を参照してください。また、コンポーザーは[環境設定]からも変更が可能です。

そして、パネルメニューの[禁則調整方式]は[調整量を優先]にしています。ちなみに[調整量を優先]は、「禁則文字を追い出したときの文字間隔が、追い込んだときの文字間隔より極端に広くなる場合は、文字を追い込む」という設定内容です。

[グリッドフォーマット]パネル

[グリッドフォーマット]パネルには、よく使用するフレームグリッドの設定を登録しておくと、ワンクリックで適用できて便利です。フレームグリッドのスタイル機能と言ってもよいかもしれません。

[オブジェクトスタイル]パネル

[オブジェクトスタイル]パネルには、線の太さや角丸のサイズ等を適用する設定を作っておくと便利です。もちろん、それぞれのパネル等から設定してもかまいませんが、例えば「角丸が3mmで0.5mmの線幅にしたい」なんて時には、[オブジェクトスタイル]パネル上で2回クリックすれば設定が完了します。その他、仕事の内容に応じて、さまざまなオブジェクトスタイルを作っておくと良いでしょう。

他にも、「ワークスペース」や「ドキュメントプリセット」「PDF書き出しプリセット」等も作成しておくと便利です。また、ショートカットの追加や見直し等もしておくと良いでしょう。

環境設定

せっかくなので、[環境設定]もデフォルトの設定から変更している部分をご紹介しておきます。

欧文辞書

[二重引用符]と[引用符]を、それぞれ一番上の物に変更しています。この設定がデフォルトのままだと、俗に言う「まぬけ引用符」が入力されてしまいます。


黒の表示方法

[スクリーン]と[プリント/書き出し]を、[すべての黒を正確に表示]と[すべての黒を正確に出力]に変更しています。なお、環境設定に関する詳細は、『InDesignパーフェクトブック』の「Chapter 1」を参照してください。「Chapter 1」「Chapter 2」「Chapter 15」は無償で公開しています。

その他、[インターフェイス]や[単位と増減値]など、目的に応じて変更してください。


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